イタコとユタの正体
こんにちは、占い師けんけんです!
今回はInstagram質問コーナーや、質問フォームでよくいただく質問の「イタコ」「ユタ」についてです。
YouTube『占い師けんけんTV』では、トラストリテラシーを高め運気を上げるための情報を発信しています。
こちらの記事では
『ユタとイタコの正体を完全暴露! 【秒速で見破れます】』
の内容をご紹介します。
▼元の動画
はじめに
占い師、という職業柄この「ユタ」と「イタコ」についての質問を本当に多くいただきます。
ユタとイタコについての解説とともに、その本質や霊感商法についても深堀して解説していきます。
イタコとユタとは
元の動画ではイタコやユタについて、アニメーション動画で解説しています(1'35~7'40)。
こちらの記事では一部抜粋して紹介していきます。
舞台はとある家族の話。
女の子・イブキが飼っていた愛犬が不慮の事故で亡くなってしまいます。
悲しみに暮れ、ふさぎ込むイブキを見たお父さんがある提案をします。
イブキは両親に連れられて有名なイタコの所へやって来ます。
イタコは、亡くなったイブキの愛犬を憑依させます。
愛犬の魂を憑依させたイタコは、イブキしか知りえない愛犬との思い出を話します。
愛犬に励まされたイブキは元気を取り戻します。
え…!イタコって本当に死んだ人や動物の魂を呼び寄せられるんですか!?
そんなわけないです(笑)
少し時間を戻して解説しましょう。
少し時間を戻して、両親がイブキをイタコのもとへ連れていく前の出来事です。
えっ…これって事前に親から聞いた情報を、あたかも愛犬が言っているようにしてたってことですよね…?
ヤラセじゃないですか。
イタコやユタに限らず、自称・占い師や霊媒師は、みんなだいたいこんな感じですよ。
詳しく解説していきましょう。
イタコとユタを解説
イタコやユタが使う手法
イタコやユタは、いわゆる、日本のシャーマンにあたります。
(厳密には違うようですが、ここでは割愛します)
「シャーマン」とは通常とは異なる意識状態に入って超自然的存在(霊、神霊、精霊、死霊など)と交信する現象を起こすとされる職能・人物のことである。
シャーマンの能力により成立している宗教や宗教現象の総称を「シャーマニズム」と呼ばれ、精霊や冥界の存在が信じられている。
(Wikipediaより一部抜粋引用)
ですが、実際は超能力でもなんでもなく、ただのホットリーディングなのです。
今回の例のように、亡くなった人や動物と交信しない形式ではコールドリーディングを用います。
事前に相手のことを調べて得た情報を、あたかも霊と交信して得たかのように思わせる手法。
占い師や霊媒師を名乗る人間の多くが使用している手法。
個人で調べる場合もあれば、弟子や協力者に指示して、チームとして事前調査を行う場合もある。
誰にでも当てはまる一般的な事の推測などから、何も話していないのに当てられたと思わせる手法。
よく占いで使われるのが「1年以内に大事な物を失くしましたね?」「ご家族は大丈夫ですか?」など。
言われた側が、無意識に自分から当てに行ってしまい「あの人は当たる!すごい!」と思い込む。
彼らは、超能力や不思議な力を持っているわけではありません。
イタコ・ユタ・霊能力者が解決した例は1件も存在しない
イタコやユタについては、色々な研究者が説を提唱しています。
その中で私が一番しっくりきたのが「貧しさから食べていけなくなった人たちが考えついたビジネス説」です。
イタコやユタを含めて、死者と会話ができるというのは、海外でも行われているビジネスです。
アメリカでも「ミーディアム(Medium)」という肩書で、あの世とこの世を交信できる人間として儲けている人がいます。
ですが、日本でも海外でも関係なく、一般の人が知りえない事実を言い当てる、ということはあり得ません。
もし本当にそんなことができるとしたら、この世から未解決事件や行方不明者が存在しなくなると思いませんか?
死んだ人のよくわからない言葉を代読している暇があれば、未解決時間の犯人や、行方不明者の居場所を言い当ててほしいものです。
まともに言い当てた霊能者は一人もいないのです。
テレビ番組の霊能力者
このような話をすると、
テレビで事件を解決した霊能力者がいた!
イギリスのネラ・ジョーンズは犯人の名前を言い当てていた!
というコメントがきます。
残念ですが、すべては作りものです。
ネラ・ジョーンズは
犯人の名前は「ピーター」
トラック運転手をしている
女装が趣味
と言っていましたが、トラック運転手とピーターという名前は、事前に警察が調べていた情報です。
つまり、知っていた情報をあたかも霊に聞いたように見せているだけなのです。
そして、全く女装の趣味はありませんでした。
他にも、犯人の似顔絵や、次に起こる事件を言っていましたが、全く当たっていませんでした。
ネラ・ジョーンズの例に限らず、テレビ番組の影響は大きいですね…
イタコやユタは悪い存在なのか?
でも、このアニメーションを見る限りなんですけど…
イタコって悪人ではないと思います。
ほう…その心は?
確かに、嘘をつくこと自体は良くないと思います。
でも、それでイブキちゃんは実際に元気になったから。
人を元気にするための嘘ならアリなのかなって…
なるほど。
実は、そういった意見は結構あるのです。
この件を深堀していくために、ある人物について取り上げましょう。
ウィリアム・H・マムラーについて
このウィリアム・H・マムラーの心霊写真ですが、合成による偽物であることが裁判でも明らかになっていたにも関わらず、無罪判決になったのです。
写真が嘘なのはわかるが、それを嘘と認めてしまうと、亡くなった家族に会えたと喜んでいる人達が落胆してしまうから。
という理由からでした。
気持ちはわかりますが、この判決はどうなのか・・・
と私は思います。
これをOKとしてしまうと、霊感商法をされても、被害者側が被害に遭ったと思わなければ、なんでもOKになってしまいます。
たとえ大金を支払ったとしても、違法行為をはたらいていたとしても、です。
宗教やマルチも、究極的には「本人がよければOK」なのかもしれませんが、難しい問題です。
このような職業はOKなのか
最終的には
本人が納得しているのであればそれでいいのではないか
という意見も多いでしょう。
しかし、その論を言い出してしまうと
DVされている人
宗教にあり得ない大金をつぎ込んでいる人
にも同じ論が当てはまってしまいます。
他人に迷惑をかけないのであればいいのでは?
という意見もありますが、こと霊感商法については、私は許せないのです。
今回のテーマの「イタコ」「ユタ」ですが、よくInstagram質問コーナで聞かれることが多いです。
「良いか悪いか」の二元論ではなく、本質を分かってほしいと思います。
イタコやユタに関わらず、人間の力を超える超能力などあり得ません。
物理的に不可能なものは不可能だという事実を分かってほしいのです。
最後に
イタコ・ユタ・霊能力者・霊媒師・陰陽師・占い師・スピリチュアル〇〇など多く存在しますが、
事件の犯人を特定することはできません
ヒーリングで病気を治すことはできません
死んだ人と話すことはできません
未来の予知はできません
20年以上、占い師という職業をしていると、
「あの先生だけは本物だ!」
「何も話していないのに完璧に当てられた!」
「こうなることが分かっている人がいる!」
みたいな話を本当に多く聞きます。
1,000回以上はゆうに聞いてきました。。。
しかし、私が確かめに行ったり、言質をとると、コールドリーディングや拡大解釈なのです。
単に、その人が引っかかっただけです。
そして、引っかかったと思いたくないので、その話を正当化しているだけなのです。
イタコやユタに関しても、アニメーションに出てきたイブキのように、元気になって、そこまで高くない金額であればまだいいでしょう。
しかし、中には「〇〇しないと死ぬ」「これを買わないと病気になる」という「不安商法」で高額な金額をせしめる輩もいるのです。
物事の本質を理解して、霊感商法にはくれぐれも引っかからないようにし欲しいと切に願います。
『コールドリーディング入門』石井裕之著