因果応報とは何か?仕組みを解説(前編)

因果応報とは何か?仕組みを解説(前編)

今回は「因果応報」についてです。

「因果応報とは何か?」について解説していきます。

前編と後編で分かれております。

はじめに

占い師・観相師という仕事柄、かなりの数の人と接してきていることもあり、因果応報についてよく聞かれます。

質問コーナーでもかなりの数、この「因果応報」について質問されます。

暴力・暴言がひどくて周りから嫌われている人がいるのですが、そんな人がのうのうと生きているのが腹立たしいです。因果応報ってあるものでしょうか?

私の周りで、ズルくて得している人でも、40歳過ぎあたりからしっぺ返しがきている気がします。
先生の統計学から因果応報の実例を教えてほしいです。

いじめをした人はその後良い人生を送れないと思うのですがどう思いますか?
私の周りでは因果応報でその後に不幸になった人がいてゾっとしました。

上記はほんの一部ですが、このような種類の質問をかなり多くいただきます。

  • 因果応報
  • 天罰覿面
  • 罰が当たる
  • 天網恢恢疎にして漏らさず
  • 天に向かって唾を吐く

など同じようなことわざがたくさんあります。

けんけん

悪事を働けば悪いことが返ってくるのは何%くらいだと思いますか?

けんにゃん

え~っ…パーセントで聞かれると難しいですけど、結構高いんじゃないでしょうか。

今回こちらの内容を解説していきます。

どこからが悪事なのか?善悪の基準は?

善悪の基準は異なる

「悪いことをすると自分に返ってくる」と言いますが、そもそも何が良くて何が悪いのでしょうか?

マリファナが合法的に認められている国もあれば、飲酒が禁止されている国もあります。

国や宗教によっても善悪の基準がかなり異なります。

具体例

日本でも、時代とともに、昔は合法だったが今は違法になったものもあります。

例えば「ヒロポン」という薬は今は違法ですが、昔は合法でCMまで流れていました。

では、このヒロポンを売っている人は悪人でしょうか?

法律改定後に販売している人=悪人でしょうか?

別の例をあげます。

日本がどこかの国と戦争が発生してあなたが強力な日本軍兵士だと仮定します。

そして、相手国のボスを倒して日本を勝利へ導きました。

この場合、あなたは日本では英雄・ヒーローです。

しかし、相手国からしたら、自分たちのボスを倒した大悪党なのです。全国民から恨まれます。

戦争の話だとわかりづらいかもしれませんので、もう一つ別の例をあげます。

ある家族が山で傷ついた鳥を発見しました。

その家族は懸命に看病し、無事に完治した鳥は元気に旅立っていきました。

飛び立った数分後、その鳥が猟師に打たれて死んでしまいます。

猟師は猟銃所持の許可もその山での狩猟許可も得ています。

果たして、その猟師は悪いことをしたのでしょうか?

相談者さんも…

私のところへ鑑定に来る相談者さんでも

ひどいことをされた!

いくらでも払うので、あいつに呪いをかけてください!

こういった方々もいらっしゃいます。

ですが、仮に私に呪う能力があったとしても、その相談者さんの一方的な話で呪い殺す判断はできません。

けんにゃん

では、本人が「悪い」と思っていながらやっていたらそれは「悪」という基準になりませんか?

けんけん

サイコパスは人を殺しても「悪いことをした」と全く思っていないですからね…

人が言う善悪の基準はそれぞれです。

一概に、何が悪で何が善というのを、そう簡単に決めることはできません。

人それぞれ、別の基準があり、育ってきた環境・場所・人間関係・常識・道徳などに大きく左右されます。

このことをまず初めに理解してほしいと思います。

因果応報の目立ったケース

「因果応報の目立ったケースを教えてほしい」という意見もいただきます。

私の相談者のケースをお伝えしてもいいのですが、多くの人が知っている事例の方がわかりやすいと思いますので、そちらを紹介していきます。

豊田商事事件

豊田商事会長刺殺事件

1985年6月18日、豊田商事の永野一男会長が大阪・北区にある自宅マンションで自称右翼の男2人に刺殺された。
豊田商事は強引に金の取引を進めた上、現物は渡さず金の預かり証だけ渡すという“ペーパー商法”で2,000億円を集めた。
被害者は、ほとんどがお年寄りや主婦だった。
詐欺的商法による被害が広がる中、事件当日の6月18日に逮捕という情報を聞きつけ、現場には永野会長の動静を取材するため取材陣が詰めかけており、テレビに犯行がそのまま映るという衝撃的な事件となった。

https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009030197_00000
より抜粋引用

けんけん

これくらいわかりやすい因果応報は無いですね

プロレスラーSの場合

私はプロレスラー関係の友人・知人が多いので聞けたのですが、世間的には闇に葬られた事件になります。

Sという元プロレスラーがいます。

奥さんも元プロレスラーです。

このレスラーは昔からしごきがすごく、殴り倒したり木刀で殴ったりしてきました。

数年前に新弟子をいじめすぎてブログで告発されました。

Sがブログの削除を頼み込んだところ、プロレスを引退したら記事を削除する、という条件でSはプロレスを引退しました。

因果応報にならなかったケース

一方で、因果応報にならなかったケースも多々あります。

小池俊一

「おい、小池!」で有名な「徳島・淡路父子放火殺人事件」の指名手配犯です。

徳島・淡路父子放火殺人事件

2001年4月20日から同年4月21日に徳島県徳島市、兵庫県淡路島で発生した殺人事件。
犯人の小池俊一は父親と子供の父子2人を殺害し、自宅を放火。
父親の4,000万円入っていた預金通帳を奪い逃走した。
指名手配ポスターに書かれたコピー「おい、小池!」は有名となり、容疑者の知名度は上がった。
そして数多くの情報が寄せられたが、逮捕に結びつく有力な情報は得られず、捜査は行き詰まっていた。
2012年に病死し、被疑者死亡で書類送検され、不起訴処分となった。
(Wikipediaより抜粋引用)

けんけん

結局、逮捕もされず刑務所にも入っていません。

紅林麻雄

警察官でありながら、担当した事件で、数多くの無実の人物を犯人に仕立て上げ、冤罪の被害者にした人物です。

賞賛欲しさに、無罪の人に対して拷問を繰り返し、偽の供述をさせて昇進していきました。

最後は少しバレたものの、特に逮捕などされることなく、最後は病死しました。

この紅林がやったことからすると50回くらいは死刑にならないとおかしいはずです。

紅林麻雄についてはこちらの動画で詳しく取り上げているのでご覧ください。

けんけん統計・因果応報の発生率

私が今まで数多くの人を観てきた中で、体感でのざっくりした数字になります。

因果応報になった人は30%くらいです。

私の相談者は年齢層が高いお金持ちの人がかなり多いです。

今は幸せそうに暮らしていますが、若いときは、ブラックなお仕事で稼いでいた方も多いです。

そのブラックな詐欺の仕事で、数十人・100人以上の人々を不幸にし、亡くなった人までいます。

その分、本人に何か悪いことが起こらなければおかしいですが、裕福で幸せそうな余生を過ごしています。

一人二人ではなく、このような人間がたくさんいるのが現実なのです。

なぜ全悪人に罰が当たっているように感じるのか?

上記で解説したように、実際にはそこまで因果応報が下されてはいないのですが、世間的には、悪人に因果応報がくだされているように認識されているのはなぜでしょうか?

心理学的に解説しますと

ジーンディクソン効果
エピソード記憶

に近いです。

例えば、パチンコ屋で買って箱を積み上げている場面を何回か続けてみると「あの人はパチンコで良く勝つ人だ」と思いがちです。実際は勝率が3割程度だとしても、たまたま見たときのタイミングと結果次第で「勝っている人」と認識しやすいのです。

芸能人の不倫からの謹慎、なども話題になりますが、たまたまその人のその1回の不倫が表に出ただけで、その人の他の不倫や、他の芸能人の不倫は表に出ていないだけでもっとあるはずです。

罰が当たった結果だけを我々が見ているので、何も起きていない人は、陰で悪い子をしていても素通りされています。

どのようにすれば罰が当たるか?

「因果応報はあるのですか?」という質問をしてくる人は、許せない人やムカつく人がいるから聞いてくる場合が多いです。

「アイツはあんな事をしているに何も罰を受けていない」
「私だけが損をしている」

といった感情かと思います。

要するに「罰が当たってほしい」という願いです。

ですが、現実には悪いことをした人間に必ず罰が当たるわけではありません。

なので、本当にその相手に罰を与えたいのであれば、自分の手で何かするしかないのです。

自分で制裁するしかないがそれができない。けれど悔しいので「因果応報」というシステムに期待している。

という人がほとんどではないでしょうか。

しかし、そのシステムが起動することはほとんどないので「放っておく」「自分でやる」の2択しかないのです。

どちらにするかは自分の選択です。

因果応報とは何か?

けんにゃん

結局のところ「因果応報」って何なんですか?

「因果応報」は

  • 教えや戒めのために作られた言葉
  • こうなってほしいという被害者の願望

だと考えています。

子供達へ教育する際に「こういう行いをしてはいけない」というために作られた言葉です。

「カルマ」という言葉も同様の意味です。

どこの国でもいつの時代でも、そのような教えがあります。

実際にそのようであれば素晴らしいですし、自分の行いが100%ブーメランで返ってくるのであれば、悪事を働く人はかなり減るでしょう。

しかし、不条理ですが、悪事をはたらいた全員に返ってくるわけではないが現実です。

理不尽な世の中であるのが現実です。

それを咎めたいのであれば自分で動くしかありません。

私も実際に悪事をはたらいている、インチキ占い師や自称霊媒師は許せないので、徹底的にやりあってきています。

よくわからない力に期待しても何も起こりません。

自分で手を下すまではしなくとも、自分が良くなるために実際に行動をしていきましょう。

こちらもオススメ

「因果応報」「自分で手をくだす」の参考になる作品です。

映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』

映画『ミナミの帝王 追憶』

マンガ『外道の歌』

マンガ『無限の住人』

 

おすすめの記事